アウトライン:アウトライナーだけがアウトラインプロセッサではないのです。〜iA Writer
腐れ縁だった iA Writer Classic がiPhoneで起動しなくなったので、iOS版 iAWriter を買い直しました。600円なり。
iAWriter Classic は64ビット対応はしたけど、古いアプリなのでもう AppStore では見つからないし、iPhoneで起動しなくなったけど iPadでは動いたりするから様子見していたのですが、暑くてついつい気が短くなってしまった。まあ時間の問題だったのかもしれません。
Mac版は考え中です。Mac版 iA Writer Classicは何とか動いている(図1)し、Mac にはMarkdownで記述できるエディタがほかにもあるので、あまり使わないのに3600円を支出するのはどうかな、と。
●図1:Mac版 iA Writer Classicは何とか動いている
Mac版はユーザー少ないからこの値段なのでしょうけど。昔から高いアプリの値段はそう理由付けされていますが、本数が売れたから値段が下がったという話はあまり聞きません。値段が下がるのは、ズバリ製品間で価格競争が起きた時だけです。ところが、アプリを選ぶというのは、何でもできる汎用性だけでなく、自分だけのかゆいところに手が届く問題解決がポイントということもあるので、数が売れるかどうか微妙な商品です。
そんなアプリ業界で、iOSがすごかったのはアプリの価格破壊を行ったことですが、それでiPhoneにあれだけ数多くの「自分だけのかゆいところに手が届く」的なアプリが登場したのは驚くべきことでした。それにしても単価が下がった分の本数は売れているのでしょうか。まあ、iA Writerの開発元も存続しているということは、途中紆余曲折ありましたが、何とかやっているということなのでしょう。
アイディアを繰り返し利用できるかどうかが知識産業の妙味ですが、それこそ知恵の使い所かもしれません(アプリの開発力とは別なのかもしれませんが)。
自分が iA Writer を使い始めたのは、何といっても「フォーカスモード」 があるからで、最初に購入したのはMac版でした。本当にフォーカスモードだと執筆が捗るかどうかは、長年使っていても不明ですが、アウトラインと同じく、これがないと書く作業が止まってしまう気もします。それもあって、MacとiPhoneが連携するようになってから、iPhoneでも使いたいとiOS版を購入したのですけど、実際に「フォーカスモード」が生かすには、複数の段落が表示されないと意味がないので、ある程度の画面の大きさが必要でした。
その結果、画面の小さなiPhoneでは単なるテキストエディタとなってしまい、しばらくは他のエディタに埋もれてしまっていたのですが、iOS版を重宝に思うようになったのは Markdownで記述するようになってからでした。
●図2:フォーカスモードが iA Writerのアイデンティティ
いろいろなアウトライナーを試していますが、結局は見出しと本文の関係が基本なので、iA Writer でMarkdown記述はアウトラインそのものなのです。執筆または編集している段落を「フォーカスモード」で表示できるテキストエディタは、Markdown記述と組み合わせれば、無敵のアウトラインプロセッサになります。
それ以上の機能は、私の場合は iA Writer にとくに必要なかったので、数年前の高機能路線に私は参加しませんでした。そして他のテキストエディタやらMicrosoft Word御大がiPadで使えるようになったりと、ふらふらしているうちに、結局iA Writer の方が元の位置に戻ってきたような感じです。
最近は Mac用では OutlineText というMarkdown対応の強力なアウトライナーを見つけて喜んでいるところで、今回のiA Writerも実はOutlineText のために買い直したという感じもします(ちなみに このスグレもの OutlineText は無料)。
OutlineText | HiBARA Software
- [outline]
- [editor]
- [macapp]
- [あとで読む]
使える。 #outliner「このアウトライン付きテキストエディターでは、全体の文章構造を理解しながら書いていくような、 主に以下の用途に向いています。ブログ、ビジネス文書、あるいは論文や小説など文章の下書き
2018/07/15 11:20
さて、現在のiA Writer には iCloud 以外に「ライブラリ」というファイル管理の仕組みがある。エディタ系はなぜか iCloudDrive で使いにくかったりするので、それを考慮しているのだと思うけど便利かどうかはまだ不明な機能。
編集中の下部アイコンは4つ。左端と1つ飛ばしたアイコンで「検索」と「共有」というiOS老舗テキストエディタとして必要十分な機能に簡単にアクセスできる。
左端から2個目のアイコンは「設定」。「エディタ設定」と「テンプレート設定」の2つがあり、このエディタのアイデンティティな「フォーカスモード」は「エディタ設定」でオン。一番右端のアイコンは「新規作成」。
あと、iAWriter をMarkdownで使い回す時は、アプリの設定は「ライブラリ」のところで表示される歯車マークの「設定」−「ファイル」でテキストファイルの拡張子を.md にしておく。
たった600円で最新版のiA Writer がまた使えるようになって、猛暑の7月の三連休少しハッピーです。